「全国学力・学習状況調査のあり方に関する要請書」を提出
日教組(日本教職員組合)は、2023年4月18日、当日実施された「全国学力・学習状況調査のあり方に関する要請書」を文部科学省に提出しました。
要請事項では、「悉皆方式での調査を廃止して数年に一度の抽出方式とする」、「調査結果の公表のあり方」、「事前対策を行わないよう教育委員会への指導・助言の徹底をはかる」ことなどを求めています。
事前対策についての文科省の考え
2016年(平成28年)、文部科学省は、「全国学力・学習状況調査に係る適切な取組の推進について(通知)」の中で、「 4 月前後になると、例えば、調査実施前に授業時間を使って集中的に過去の調査問題を練習させ、本来実施すべき学習が十分に実施できないなどといった声が一部から寄せられるといった状況が生じています。仮に数値データの上昇のみを目的にしているととられかねないような行き過ぎた取扱いがあれば、それは本調査の趣旨・目的を損なうものであると考えております。」と述べています。
序列化、過度な競争についての文科省の考え
また、2022年12月7日の「令和5年度全国学力・学習状況調査に関する実施要領」の「8.(5)調査結果の取扱いに関する配慮事項」の中で文科省は、「調査により測定できるのは学力の特定の一部分であること、学校における教育活動の一側面であることなどを踏まえるとともに、序列化や過度な競争が生じないようにするなど教育上の効果や影響等に十分配慮することが重要である。」と明記しています。
「改善にむけたとりくみ」をすすめます
しかし、その一方で、文科省の意図するところとは反対に、学校現場や自治体間では、競争や序列化がますます進んでいる実態があります。
宮教組は、「全国学力・学習状況調査」、「学力向上対策」の問題点を明らかにしながら、その改善にむけたとりくみを今後もすすめていきます。