お知らせ

日教組、「書記長談話」を発表!



日教組は8月28日、中教審「教師を取り巻く環境整備について緊急的に取り組むべき施策(提言)」に対する書記長談話を発表しました。


以下、談話の一部を抜粋して紹介します。


◆・・・提言では、長時間勤務是正の重要性、小学校高学年の教科担任制にかかる加配の前倒し配置や支援スタッフの充実等について触れられており、一定評価できる。来年度予算での確実な措置が不可欠である。

一方、「カリキュラム・オーバーロード」が指摘される中、学習指導要領の見直しの議論をはじめ、現場の教職員が切望している持ち授業時数の上限設定やそれに伴う教職員定数改善など、今後の検討課題は山積している。


◆教員業務支援員の全校配置、SC、SSW、学習指導員、部活動指導員などの支援スタッフの配置については、費用負担2/3が捻出できないために配置をあきらめざるを得ない自治体がある。学校現場からは、昨年度配置されていたにもかかわらず、今年度配置されていない現状も報告されており、安定的な配置のための施策も欠かすことができない。


 ◆「学校・教師が担う業務に係る3分類(以下、「業務の3分類」)」については、教育委員会に主体的な役割を果たすことを求め、「丸投げ」感は否めない。推進のためとして、「3分類の対応策の例」が示されたものの、保護者や地域ボランティアへの業務移行が多く示されている。「業務の3分類」を推進するために、文科省はその責任において、社会的合意形成にとりくみ、業務移行に関わる予算を確保することを求める。


◆・・・教員養成課程の学生たちをはじめ、教育に関わろうとする多くの人々は教職の魅力をすでに認識している。しかし、それを上回る長時間労働・休日出勤の常態化、対人関係のストレスなどが積み重なっていることもまた認識している。それが主な原因であることが指摘されているにも拘らず、今回の提言にはその緊迫感が感じられない。まずは長時間労働・休日出勤等の勤務環境の早急な是正が最優先されるべきである。持続可能な学校とするためには、この50年の間に積み上げられてきた業務のスクラップや教職員の配置を見直し、教育環境の再構築が不可欠である。


◆日教組は、7月27日の『「今、学校が大ピンチ!」日教組働き方改革中央集会』において、学校の働き方改革に関する「7つの提言」を確認した。勤務時間内にすべての業務が終わる人間らしい働き方,だれもが安心して働き続けられる職場、そして、すべての子どもにゆたかな学びを保障できる学校のため、「7つの提言」の実現を求めて、保護者・地域住民との社会的対話をはじめ、とりくみを強化する。


以上です。


書記長談話全文、および「持続可能な学校のための7つの提言」については、日教組ホームページ(下記リンクから遷移できます)をぜひご覧ください。




文部科学大臣が「メッセージ」を発出!


8月29日、永岡文部科学大臣を本部長とする「学校における働き方改革推進本部(第7回)」が開催されました。


前日の28日に、中教審「質の高い教師の確保特別部会」から永岡大臣に手交された「教師を取り巻く環境整備について緊急的に取り組むべき施策(提言)」を踏まえ、議論が行われました。


議論の終了後、永岡大臣は、前段に行われた記者会見で述べたように、文部科学大臣メッセージ「~子供たちのための学校の働き方改革 できることを直ちに、一緒に~」を発出しました。


以下、そのメッセージ(一部抜粋)についてお知らせします。



メッセージの内容(一部抜粋)


・・・2024年度からの3年間を集中改革期間とし、政府全体として質の高い公教育の再生に向け、働き方改革、処遇改善、指導・運営体制の充実を一体的に進めていきますが、教師を取り巻く環境をより良いものとすることは待ったなしであるため、直ちにできることに関し、文部科学大臣としてメッセージをお伝えします。


1.国が先頭に立って改革を進めます

教師を取り巻く環境整備の加速化に向け、これまで以上に力強く教育予算を確保します。・・・今からすぐ取り組めることとして、大幅な教職員定数の改善や支援スタッフの大胆な配置充実、教師のなり手の確保に向けた取組を進めます。


・・・今回の中央教育審議会の提言でも、学校行事の真に必要なものへの精選・見直し、登校時間の見直し等が例示されています。「やめようと思っても、様々な理由によりやめられない」との声は私にも届いていますが、働き方改革そしてその先のより良い教育につながる取組は、文部科学省として全力で応援しますので、このメッセージを業務改善に向けた旗印としてご活用ください。


2.学校・教育委員会は、できることは直ちに実行を

働き方改革は国だけでは進みません。改めて、一人一人の教師の勤務時間管理及び健康管理、業務分担の見直し等の責任を有しているのは各校長であり服務を監督する各教育委員会であるということを、すべての校長先生及び教育長の方々にご確認いただきたいと思います。


・・・提言では、例えば、標準授業時数を大幅に上回っている教育課程編成の見直しをはじめ各主体において求められる対応が整理されておりますので、各学校の課題を踏まえ、今からできることは直ちに着手いただきますよう、お願いします。


3.保護者・地域住民の皆様へ

・・・教師が教師でなければできない業務に集中してこの課題を達成するため、学校・家庭・地域の連携分担や学校の働き方改革が必要であり、皆様の力がこれまで以上に求められています。更なる連携・協働のためには、国や地方自治体がメッセージを発するとともに、学校が保護者・地域住民の皆様とより積極的にコミュニケーションを図ることが必要です。その際、業務の優先順位を踏まえた思い切った精選・見直しや教師と保護者・地域住民の皆様との役割分担の見直し等の相談についても、ご理解とご支援をいただければ幸いです。



メッセージ全文については、文部科学省のホームページをご覧ください。