お知らせ

中教審の「審議まとめ(案)」に対する書記長談話を発表


2024年5月13日(月)、中央教育審議会初等中等教育分科会「質の高い教師の確保特別部会」は、「『令和の日本型学校教育』を担う質の高い教師の確保のための環境整備に関する総合的な方策について(審議のまとめ)(案)」を公表しました。


日教組は、本日、この(審議のまとめ)(案)に対する「書記長談話」を発表しました。


「談話」は、以下のリンクをタップしてご覧ください。



なお、(審議のまとめ)(案)については、「文科省 中教審 審議のまとめ 5月13日」で検索して、表示される「質の高い教師の確保特別部会(第13回)の開催について」というサイトから、「配布資料【資料1】」をご覧ください。


以下、書記長談話で紹介されている内容が、実際の(審議まとめ)(案)に記載されているページを紹介します。

※印は、(審議まとめ)(案)に対する宮教組の疑問、感想、意見です。



(1)「教職調整額の率については、現在の4%を少なくとも10%以上とすることが必要・・・」(52ページ)


 時間外勤務解消にむけた努力をすることなく、これからも時間外勤務を「自発的勤務」として扱い続けることにならないでしょうか。



(2)「現在、一律支給されている義務教育等教員特別手当について、・・・学級担任について手当額を加算する必要・・・」(53ページ)


 いわゆる学級担任手当の新設です。現在行われている、学級担任の方と学級担任外の方との協力体制にひびは入らないのでしょうか。



(3)「小学校中学年についても、子供たちへの学びの質の向上の観点と教師の持ち授業時数の軽減の観点から、教科担任制を推進し、専科指導のための教職員定数の改善を図る必要がある」(35ページ)


 きとんとした定数配置がなされなければ、学級担任同士の単なる交換授業にとどまる可能性があり、現場(中学年)は混乱するかもしれません。



(4)「若手教員へのサポート機能を抜本的に強化・・・」「新たな職を創設」(40ページ)
新たな職の創設に伴い、「教諭(2級)と主幹教諭(特2級)の間に給料表上、新たな級を創設する必要がある」(53ページ)


 若手教員へのサポートは、初期研修の期間短縮・時間短縮、レポート提出の簡素化など、まず、若手教員の負担を軽減することが先決ではないでしょうか。



(5)「国が持ち授業時数の上限を設定して制限すべきとの指摘もあるが・・・。国が一律に教師の持ち授業時数に上限を設けるのではなく、教育委員会や学校の実態に応じて、教科担任制のための定数の活用により、持ち授業時数の多い教師についてその時数を軽減する取組と併せて、校務分掌を軽減するなど、柔軟に対応していくことが望ましいと考えられる」(35ページ)


 持ち授業時数の多い、少ないの判定は何で決めるのでしょうか。校務分掌の軽減は、具体的にはどのようなことを想定しているのでしょうか。


 学習内容の精選や標準時数の見直しをすることなく、英語、プログラミング・・・とさらにビルド、ビルドを重ねている現状に、子どもたちは対応しきれていません。「今後」ではなく、「喫緊」の検討事項ではないでしょうか。