「カリキュラム・オーバーロード」について学習
2024年11月26日(火)午後5時10分より、「11.26 学習指導要領改訂にむけたシンポジウム及び院内集会」が、参議院議員会館1階会議室で行われました。
この会に宮教組からは、Webで参加しました。
今、現行学習指導要領の問題点を「カリキュラム・オーバーロード」という言葉でとらえる動きが、現場と文科省双方ではじまっています。
集会ではまず、東京学芸大学教授の大森直樹(おおもり・なおき)さんが、「学習指導要領の問題点と改訂の課題」と題して講演を行いました。
大森さんは、「学習指導要領では学習内容ばかりが注目されてきたが、ここでは、標準時数という一番光があたっていない所に着目した」と述べ、「標準時数の変遷」や「標準時数に対する現場の教員の評価」について説明をしました。
また、詳しい内容はここでは省略しますが、子どもの生活と学習に合った民間からの時数ガイドラインの提案もありました。
講演の後で行われたシンポジウムで保護者からは、「子どもがとても忙しい、疲れている」、「学校生活にゆとりがない」などの意見が出されました。
また、教員からは、「6日制よりも多い時数を5日でやっている。子どもの疲弊、ストレスにつながっている。自主的・主体的に活動する時間がとれない」など、学校現場での子どもたちの様子が紹介され、また、経験で少しは補える先生はいいが、若い先生方が授業の準備の時間がとれず苦痛を感じている(実際に同じ職場にいる若い教員が倒れた)ことなど、教員の実態も合わせて報告されました。
コーディネーターの方からは、「メディアでは、(今まで内容ばかりに注目がいき、)標準時数はあまりとりあげてこなかった。たくさん学ぶことはよいことなのか、学びに対する考え方の論議も必要。今後、部活動はどうなっていくのかなどの課題もある」という発言がありました。
1時間30分の集会でしたが、子ども、教職員、保護者の生活を圧迫している要因のひとつである「標準時数」にスポットをあてた、わかりやすい学習会だったと思います。
集会は最後に「アピール」を発表し、閉会しました。